カタカナ母音で見る～試験対策：発音問題４～

このブログでは、発音記号を「カタカナで見える化」し、英語を紹介しています。英語を見ても、そもそもスペルだけではどんな音かわからないことありますよね。カタカナ母音は、身近なカタカナ表記なので直観的、また英語の音を「見る」という新感覚が刺激になり、曖昧だった音の整理が進むことで印象に残りやすく、記憶定着が促進されます。
今日は入試などでもよく出る発音問題についてカタカナ母音で解説していきたいと思います。

問１
太字の発音が異なっているものを１一つ選びなさい。（東京福祉大）
①person ②nurse ③garbage ④thirsty ⑤purple

ar、irなど、母音に[ r ]が付いた音を問う問題です。同じ音節内の母音+rは、これで１つの母音の塊というイメージを持つと分かりやすいです。では発音を確認してみましょう。

発音問題４-01

原則[ ar ]は長母音+r / ɑːr /の音で、③も同じです。 [ ir ]、[ ur ]、[ er ]は長母音の/ əːr /の音で、①②④⑤もこの音なので正解は③です。
①person：人 ②nurse：看護師 ③garbage：ごみ ④thirsty：のどが渇いた ⑤purple：紫色
では、[ ar ]の基本形、長母音+r / ɑːr /の音をgarbageでチェックしておきましょう。動画では[... all a direct result of me playing with your garbage ]と言っています。

（6:20～、再生ボタンを押せばすぐ始まります）

問２
太字の発音が異なっているものを１一つ選びなさい。（京都産業大）
①burn ②circle ③fortunate ④perfect

この問題は[ or ]の音がポイントです。発音を確認してみましょう。

発音問題４-02

①②④は、問１の[ ir ]、[ ur ]、[ er ]のルールどおりなので、長母音/ əːr /の音です。[ or ]は原則、長母音+r / ɔːr /の音で③もルールどおりなので、正解は③です。
①burn：焼ける ②circle：円 ③fortunate：幸運な ④perfect：完全な
では、[ or ]の基本形、長母音+r / ɔːr /の音をfortunateでチェックしておきましょう。動画では[... who have been extraordinarily fortunate ]と言っています。

（8:48～、再生ボタンを押せばすぐ始まります）

問３
太字の発音が見出し語と同じものを１つ選びなさい。（福岡大）
worse
①fork ②farther ③ward ④third

この問題はor、arの音が基本形ではないパターンです。発音を見てみましょう。

発音問題４-03

[ ar ]は③wardのように[ war ]になると長母音+r / ɑːr / → 長母音+r / ɔːr /に変わります（例外：「用心深い」のwaryは二重母音の/ weəri /）。
[ or ]は見出し語worseのように[ wor ]になると長母音+r / ɔːr / → 長母音/ əːr /に変わります（例外：wearの過去形wore、swearの過去形sworeなどは/ ɔːr /のまま）
②fartherの/ ɑːr /、①forkの/ ɔːr /はどちらも基本形。見出し語と同じ発音はthirdで、正解は④です。
では、長母音/ əːr /の音をthirdでチェックしておきましょう。動画では[Second, those rocks must be sedimentary rocks. And third ]と言っています。

（0:31～、再生ボタンを押せばすぐ始まります）

問４
太字の発音が異なっているものを１つ選びなさい。（駒澤大）
①award ②reward ③forward ④war ⑤warming

すべてw+arの音なので長母音+r / ɑːr / → 長母音+r / ɔːr /となるのがセオリーですが、、、どうでしょう。

発音問題４-04

①②④⑤はセオリーどおり/ ɔːr /の音ですが、③だけ短母音/ ər /の音になっているので、正解は③です。
アクセントがない母音はスペルに関係なく弱くなり、短母音/ i /、/ ə /、/ ər /の音が当てられることがほとんどです。③は、カタカナ母音を見てもわかりますが、[ or ]の音にアクセントがあり、アクセントがない[ ar ]は/ ər /の音になっています。
このルールを知らない学習者も多いのではないかと思いますが、実はとても大事なルールです。スペルと音の組み合わせを覚えることも大事ですが、同時にアクセントの位置も覚えていかないと、発音への理解はなかなか進みません。実際の音を聴き、またカタカナ母音でも見て覚えれば、アクセントの音と位置、前後の音節とその音が直観的に分かり、音に立体感が出て記憶定着にも役立ちます。

紹介しきれなかったルールも含めてまとめてみましたのでチェックしてみてください。
[ ar ]の音
・長母音+r / ɑːr /、/ ɔːr /、二重母音 / eər /
・原則/ ɑːr /と読む。hard、target、garbageなど
・[ war ]の場合、/ ɔːr /と読むことがほとんど。war、award、warnなど（例外：wary / ˈweəri /）
・[ 子音 are ]の場合、/ eər /と読む。[ e ]はサイレントe。fare、rare、shareなど
・[ ar ]に続く音節が[ y ]（/ i /の音）の場合、/ eər /と読む。vary、scary、waryなど
・be動詞areは/ ɑːr /
・scarceは/ ˈskeərs /

[ or ]の音
・長母音 / əːr /、長母音+r / ɔːr /
・原則 / ɔːr /と読む。form、afford、forkなど
・[ ore ]の場合も/ ɔːr / と読む。bored、core、wore、sworeなど。[ e ]はサイレントe
・[ wor ]の場合、/ əːr /と読むことがほとんど。work、worm、worship（例外：wore、sworeは-oreの読み方、swordは実際/ w /を発音しないので基本形の/ ɔːr /）

[ ir ]、[ ur ]、[ er ]の音
・長母音/ əːr /（例外：buryは二重母音の / ˈbeəri /）
・[ + e ]で重母音に変化（eはサイレントe）
　* -ireは三重母音/ aiər /。tired、fire、admire、spireなど
　* -ureは二重母音/ uər /。pure、injure、admire、matureなど
　* -ereは二重母音/ iər /（here、mere、ampere）または / eər /（there、where）（例外：wereは長母音の / wəːr /）

母音を整理して英語力UP！
いかがだったでしょうか。地道な作業ですが、英語の音を１つ１つ確認して分かっていかないと、記憶定着がなかなか進みません。
聴く、話すに加えて、カタカナ母音で「見る」が英語学習に役立ちそうと思ったらこちらもチェックしてみてください。
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