カタカナ母音で見る ～ 試験対策：発音問題８ ～
このブログでは、発音記号を「カタカナで見える化」し、英語を紹介しています。英語を見ても、そもそもスペルだけではどんな音かわからないことありますよね。カタカナ母音は、身近なカタカナ表記なので直観的、また英語の音を「見る」という新感覚が刺激になり、曖昧だった音の整理が進むことで印象に残りやすく、記憶定着が促進されます。
今日は入試などで出る頻出の発音問題についてカタカナ母音で解説していきたいと思います。
問１
太字の発音が見出し語と同じものを１一つ選びなさい。（沸教大）
conclusion
①comprehension ②division ③omission ④tension
前回（発音問題７）に続き今回も s の音を取り上げました。今回は、語末の s に使えるルール9選（末尾に掲載してあります）を中心に解説していきたいと思います。それではまずカタカナ母音で発音を見てみましょう。
正解は②です。
conclusion：結論 ①comprehension：理解 ②division：分割、〔組織の〕課 ③omission：省略 ④tension：緊張
この問題は、- sion の単語に使える語末ルール（４）、（５）を使うと解くことができます。語末が -nsion（①comprehension、④tension）、または -ssion（③omission）の場合、/ ʃ /の音です（ルール４）。一方、母音+sion の場合、/ ʒ /の音なので（ルール５）、見出し語のconclusionと②のdivisionがこれに該当します。
それではdivisionの発音も確認しておきましょう。動画では[...（男性）The background for that is a real structural rise in partisanship and division. ]と言っています。
（29:58～、再生ボタンを押せばすぐ始まります）
問２
太字の発音が異なっているものを１一つ選びなさい。（センター本試験）
①leisure ②measure ③physics ④vision
この問題も語末ルールさえ覚えていれば解ける問題です。ではまず発音を見てみましょう。
正解は③です。
①leisure：余暇 ②measure：測定する ③physics：物理学 ④vision：視覚、見通し
ここでは、- sure の単語に使える語末ルール（７）と先ほど紹介した 母音+sion が使えます。語末が 母音+sure（①leisure、②measure）の場合、/ ʒ /の音です（ルール７）。母音+sion の場合も/ ʒ /の音だったので、④visionも/ ʒ /の音です（ルール５）。③physicsが/ z /であることを忘れてしまったとしても、語末ルールを覚えていれば、答えを導き出すことができますね。
それではphysicsの音を確認しておきましょう。動画では[...He develops this in the context of chemistry and in physics. ]と言っています。
（36:25～、再生ボタンを押せばすぐ始まります）
問３
太字の発音が異なっているものを１つ選びなさい。（京都産業大）
①fisherman ②measure ③passion ④sure
まずは発音を見てみましょう。
正解は②です。
①fisherman：漁師 ②measure：測定する ③passion：情熱 ④sure：確信する
shの場合は/ ʃ /の音なので、①fishermanは/ ʃ /です。また、語頭のsは原則/ s /ですが、例外としてsugarと④のsureは/ ʃ /の音です。③passionも/ ʃ /の音ですね（ルール４： -ssion は/ ʃ /）。②のmeasureだけ/ ʒ /なので（ルール７： 母音+sure は/ ʒ /）、すべてルールに沿って考えれば答えを導き出すことができますね。
それではpassionの/ ʃ /の音を確認しておきましょう。動画では[...which is the love of possibility. And what I mean by that is the passion that you have inside of you to create the results... ]と言っています。
（00:23～、再生ボタンを押せばすぐ始まります）
問４
太字の発音が見出し語と同じものを１つ選びなさい。（福岡大）
assure
①possess ②discuss ③less ④shoot
発音を見てみましょう。
正解は④です。
assure：保証する ①possess：保有する ②discuss：話し合う ③less：より少ない ④shoot：撃つ
ここでは、- ss の単語に使える語末ルール（２）が使えます。ルールどおり、②discussと③lessは/ s /の音なので、選択肢から外れます。④はshのルールで/ ʃ /です。見出し語のassureは -ssureなので/ ʃ /です（ルール６）。この時点で①possessの音が/ z /であることを覚えていなかったとしても答えは分かりますね。
それではassureの発音を確認しておきましょう。動画では[ I can assure that it is worth it. ]と言っています。
（44:25～、再生ボタンを押せばすぐ始まります）
問５
太字の発音が異なっているものを１つ選びなさい。（北海道文教大）
①adviser ②usual ③disease ④museum
発音を確認してみましょう。
正解は②です。
①adviser：相談役、助言者 ②usual：いつもの ③disease：病気 ④museum：博物館
ここでは、母音+sual の単語に使える語末ルール（９）が使えます。ルールどおり、②usualは/ ʒ /の音です。①adviser、④museumはカタカナ言葉にもなっているので、/ z /の音であることが分かれば、消去法から③diseaseも/ z /の音であることが分かります。
それではdiseaseの発音を確認しておきましょう。動画では[...Here, this gets right at the distinction between a disease-centered and a patient- or human-centered model of care... ] と言っています。
（16:21～、再生ボタンを押せばすぐ始まります）
s は多様な音に変化するので少し大変ですね。前回も紹介しましたが、復習として、s の代表的なルールをまとめておきましたので、こちらも参考にしてみてください。
子音sの音に関するルール
【語頭のsは/ s /、shは/ ʃ /】
・語頭では例外を除き/ s /の音（例外：sugar、sureは/ ʃ /）
・ sh の場合/ ʃ /の音（shy、ship、fish、freshなど）
【語末のsに使えるルール９選】
・語中、語末では/ s /なのか/ z /なのか、あるいは/ ʃ /なのか/ ʒ /なのかを判断する明確なルールはありません。
しかし、次の９個の型（すべて語末の形に拠る）では識別できることがあります。例外には気を付けつつ効率的に覚えましょう。
（１）語末がlse、nse、pse、rse の単語は/ s /
語末がlse、nse、pse、rse で終わる場合、そのsは/ s /の音になります。
-lse： else、false、impulseなど
-nse： intense、license、responseなど（例外：「清潔にする」のcleanseは/ ˈklenz /）
-pse： collapse、glimpseなど
-rse： nurse、endorse、worseなど
（２）語末の -ss は/ s /（across、impress、possess、successなど）
（３）語末の -sm は/ z /の音（activism、materialism、nationalismなど）
* sm全体では曖昧母音が続き/ zəm /と読む
* 単語は-ism となることが多い
（４）語末がlsion, nsion, ssion の単語は/ ʃ /の音
-lsion： impulsion、compulsion、emulsion、propulsionなど
-nsion： comprehension、expansion、extension、tensionなど
-ssion： mission、passion、impression、omissionなど
（５）語末が「母音＋sion」の単語は/ ʒ /
decision、explosion、occasion、visionなど
（６）語末がnsure, ssureの単語は/ ʃ /
-nsure： censure、ensure、insureなど
-ssure： assure、pressureなど
（７） 語末が「母音＋sure」の単語は/ ʒ /
closure、exposure、leisure、measure、pleasureなど（例外：「消去」のerasureは/iˈreiʃər/)
（８） 語末がnsual の単語は/ ʃ /（consensual、sensual）
（９） 語末が「母音＋sual」の単語は/ ʒ /（casual、usual、visual）
☆メモ：品詞によって変わる語☆
close 形：近い/ ˈklous / 動：閉じる/ ˈklouz /
use 名：使用/ ˈjuːs / 動：使う/ ˈjuːz /
house 名：家/ ˈhaus / 動：収容する/ ˈhauz /など
ちなみにカタカナ母音ではそれぞれこのように表しています。
いかがだったでしょうか。地道な作業ですが、英語の音を１つ１つ確認して分かっていかないと、記憶定着がなかなか進みません。
聴く、話すに加えて、カタカナ母音で「見る」が英語学習に役立ちそうと思ったらこちらもチェックしてみてください。
『25のカタカナ母音が英語の世界を変える』
（中学一年生レベルの単語５００を収録）
英語の母音：まずは1つチェックしてみよう
25も母音があって覚えるの大変と思われたあなた、その気持ちよくわかります。そんな方、まずはこちらをチェックして、あなたが知っている英語の音、1つでもいいので探してみてください。英語の音が整理されて、きっと英語力アップにつながると思いますよ。
こちらもおすすめ
嵐 x Turning Up x カタカナ母音
この英語聴き取れますか ～ あぃめでぃまだぱーでぃ ～
カタカナ母音で見る ～ 試験対策：発音問題５ ～
