この英語聴き取れますか？⑮：アぃウォ二ムダカム
ネイティブの発音って、音がくっついたり脱落したりして、聴き取るのが難しいですよね。でも、どんな音かわかっていれば聴き取れる音もけっこうあります。型で覚えておくことは大事です。
このブログでは、カタカナ母音を使って発音記号を「カタカナで見える化」し、英語を紹介しています。カタカナ母音は、身近なカタカナ表記なので直観的、また英語の音を「見る」という新感覚が刺激になり、曖昧だった音の整理が進むことで印象に残りやすく、記憶定着も促進されます。
ということで、今日はニック先生の動画を紹介しながら、よくある脱落や連結の型についてカタカナ母音で解説していきたいと思います。ニック先生の動画はとてもわかりやすくて、実際ネイティブがどう発音するか解説されているので、とてもありがたい動画です。それでは見ていきましょう。
ではさっそく聴いてみましょう。なんと言っているか聴き取れますか。
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正解は[ I want him to come ]でした。聴き取れましたか。「彼に来てほしいという意味ですね。映画や日常会話でもよく出てきますし、それほど難しいフレーズではありませんが、音が脱落、連結していて聴き取れなかったという人も多いんじゃないでしょうか。見たら分かるのに、、、悔しいですよね。しかし、どんな音かわかっていれば案外聴き取れるものです。それではカタカナ母音で音の変化について解説したいと思います。
wantの/ t /は発音しない
/ n /と/ t /が並ぶと発音のしやすさから/ t /はよく脱落します。want toが「ワナ」になるのもこの/ t /の脱落が影響しています。wanted、wentなども同様に脱落が起きやすいです。/ t /が発音されると思い込んでいると聴き取れませんが、脱落した型を覚えておけばかなり楽です。それではいくつか練習してみましょう（動画の上下にカタカナ母音を配置してあります）。
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音声変化の合わせ技：/ h /の脱落 x 子音・母音の連結
/ h /は英語の中でも弱い音として扱われていて、特にhe、him、his、herの場合、ネイティブが発音するとほとんどが脱落しています。いくつか例を見てみましょう。
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want himの/ h /もよく脱落しますが、「hの壁」がなくなると、１つ前の子音（/ t /が脱落したwantの / n /）と/ h /の次の母音（himの/ i /）が連結します。脱落・連結の合わせ技です。
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toには音声変化がある
前置詞to / tuː /の音が前後の音に影響されて変化することは意外と知られていないかもしれません。意味的な強勢がなく音が弱くなり/ tu /、/ tə /に、そして有声化して/ də /、/ t /が脱落して/ ə /だけになることもあります。絶対的なルールがあるわけではなく、発音のしやすさから音が変わるということです。ここでは to が/ də /の音になる例を見てみましょう。
（3:56～、再生ボタンを押せばすぐ始まります）
I wanted toと今回のI want him toはとても似ていますよね。私も最初はI wanted to comeと思ってしまいました。聴力的にはhimの/ m /が聴き取れたかですが、音声変化のルールを知らないと、/ im /が/ h /脱落のhimだ、とはなかなかならず、知っている一番近い音 I wanted toを当てはめてしまったからだと思います。リスニング力を鍛えることも大事ですが、同時に音の変化についても知っておかないとリスニングは上達しないなと感じた例でした。
それでは全部合わせて練習してみましょう。/ h /の脱落、子音母音の連結、dəのtoが起きている他の例も合わせて練習してみてください。
I want him to come / Tell him to come / Give him time to think
（4:22～、再生ボタンを押せばすぐ始まります）
では最後にもう一つ動画を見てみましょう。この動画では[ ...Now I want my dog to come in. I want him to sit, and I want him to stay sitting. ]と言っています。聴き取れるかトライしてみてくだい。
Rob Peladeau: "Behaviorist Dog Trainer" | Talks at Google
（29:45～、再生ボタンを押せばすぐ始まります）
いかがだったでしょうか。ある程度型で覚えていけば、音がつながっていたり脱落していてもリスニングはかなり楽になると思います。発音記号では覚えられないし（書くとこうなります→ aiwɑnimdəkʌm）、カタカナで書くと細かな音の違いが曖昧になり、結局音が再現できないという人は、カタカナ母音で直観的に覚えていくことをおススメします。
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